「THE TOKYO TOILET」は、渋谷区内17カ所のトイレを、性別、年齢、障害を問わず誰もが快適に利用できる公共トイレに生まれ変わらせ、多様性を受け入れる社会の実現を目指す、日本財団のプロジェクトです。渋谷区の全面協力のもと、国内外の16人のクリエイターが参画し、誰もが快適に過ごすことができる新しい社会のあり方をそれぞれ個性豊かなデザイン・クリエイティブの力で提案しています。今回MEDUMが外観デザインで参加し、佐藤カズー氏とTBWA\HAKUHODO Disruption Labチームとともに手がけた公共トイレは、全ての動作を声で指示する「ボイス・コマンド(Voice Command)」がコンセプトです。音声認識技術を採用した当トイレでは、ドアの開閉から便器の操作だけでなく、音楽をかけることもでき、クリーンかつ楽しい時間を過ごすことのできる場所として企画されました。建築が正面からシンプルな白い球体に見えるように、入口を背面にレイアウト。正面外壁には視認性の高いピクトグラムを配置することで、シンプルな外観を維持しながら、分かりやすい人の動線に配慮しました。また、夜間には球体の足元周りに設置された照明が点灯し、周囲を柔らかく照らすので、暗い時間帯でも安心して使用することができます。街に現れた大きな白い球体は、清潔さの象徴として、暗い、汚い、怖いといった従来の公共トイレがもたれがちだったイメージを払拭するデザインとなりました。