ホタテの⽔揚げ量⽇本⼀を誇る北海道猿払村が位置する宗⾕地区では、ホタテを加⼯する際に⽔産廃棄物として年間約4万トンの貝殻が発⽣しています。さらに2021年には、⾙殻の再利⽤を⽬的とした国外への輸出が途絶えることとなり、貝殻の地上保管による環境への影響や、堆積場所の確保などが地域における社会問題となっていました。この問題への対策を検討する中で、ホタテの⾙殻の主成分が炭酸カルシウムであることに着⽬、新素材の材料として再利⽤できるのではないかという発想から開発に着⼿。ホタテの⾙殻も村を⽀える重要な資源であると捉えた、再資源化に向けた取り組みが開始されました。こうした取り組みを受けて生まれた新素材が「カラスチック®︎」です。この「カラスチック®︎」を使って、『外敵から⾝を守る』という⾙殻本来の役割から発想し、危険と隣り合わせのホタテ漁を⾏う漁師たちの安全を守るヘルメットを作ることができないか?そんな着眼点からHOTAMETは⽣まれました。 自然界には長い年月をかけて最適化された構造を持つデザインが沢山あります。自然界の仕組みを応用し技術開発に活かすことを、生物を意味する「Bio」と模倣を意味する「Mimicry」を合体させ、「Biomimicry (バイオミミクリー)」といいます。HOTAMETの開発においても、この考え方に基づき、素材の一部であるホタテ貝の構造を模倣した特殊なリブ構造をデザインに取り入れ、少ない素材使用量で高い強度を生み出すことに成功しました。素材開発から設計に至るまで、環境への負担が少ない、持続可能性に配慮したモノ作りを目指しました。 軽量で硬牢かつシンプルなデザインは、防災⽤としての着用はもちろん、⾃転⾞通学から、作業現場まで様々なシーンで着⽤いただくことができます。